文章番号:40014

溶出試験の結果概要
 
ポリカーボネート製学校給食用食器のビスフェノールA
   
1. 調査目的
   
   学校給食で使用されているポリカーボネート製食器のビスフェノールAの溶出について調査を行い、教育委員会、学校などの関係者に情報を提供する。
   

2.

調査内容
   
   学校給食で実際に使用されているポリカーボネート製食器からビスフェノールAがどの程度溶出するかについて、食品衛生法の基準に基づいた溶出試験を実施した。
   
3. 調査の実施
   
   溶出試験については、専門的な民間調査機関である株式会社 三菱化学安全科学研究所に委嘱した。
   
4. 調査対象
   
   学校給食にポリカーボネート製食器を使用している都道府県・市町村のうち、溶出試験を希望する都道府県・市町村から提出された食器の椀及び皿 計610種類

総数 610種類 内訳 570種類
40種類
試験実施市町村等 591(内訳 7府県、577市町村、7組合)
   
5. 調査分析等の期間
   
  調  査:平成11年10月〜平成12年12月
   
6. 溶出試験
   
 
(1) 溶出条件
   
  食品衛生法第10条に基づき定められた「食品、添加物等の規格基準」(厚生省告示第370号)による。
   
 
溶出溶剤 溶出温度 溶出時間 食品衛生法に基づく
溶出試験の基準値
(1)水 95℃ 30分 2.5ppm
(2)4%酢酸 60℃ 30分 2.5ppm
(3)20%エタノ−ル 60℃ 30分 2.5ppm
(4)n−ヘプタン 25℃ 60分 2.5ppm
   
(2) 検出限界
   
  0.0002ppm(0.2μg/l)(信頼できる一番低い値)
   
7. 結果の概要
   
 
(1) ポリカーボネート製食器を対象に溶出試験を実施した結果、食品衛生法で定めている基準の2.5ppmを超えるビスフェノールAを検出するものはなく、最高の溶出濃度を示したものでも厚生省の定めた基準値の100分の1程度であった。
   
  (単位:ppm)
試験項目 総検体数 平均溶出濃度*1*2 最高溶出濃度 基準値
610 0.00155 0.02869 2.5
4%酢酸水 609*3 0.00103 0.02037 2.5
n−ヘプタン 610 0.00084 0.03321 2.5
20%エタノール 610 0.00170 0.03068 2.5

*1 検出限界未満(0.0002ppm未満)はNDとした。
*2 NDについては平均溶出濃度算出の対象から除外した。
*3 1件ひび割れのため測定不可能であった。
   
(2) 溶出濃度の分布は、下表の通りであったが、総検体数の約95%以上のものが基準値の500分の1以下の0.005ppm未満であった。
   
 
溶出濃度の分布
(ppm)

(件数)
4%酢酸水
(件数)
n-ヘプタン
(件数)
20%
エタノール
(件数)
ND(0.0002未満) 40 179 421 24
0.0002 〜 0.0005 未満 146 218 143 126
0.0005 〜 0.001 未満 218 132 29 202
0.001 〜 0.005 未満 176 69 13 222
0.005 〜 0.01 未満 21 27
0.01以上
   
(3) 皿、椀からの平均溶出濃度について統計的に差があるかどうか検定を行ったところ、有意差は認められなかった。
   
(4) 食器の洗浄に、アルカリ性洗剤を使用しているものと他の洗剤を使用しているものとの比較を行ったが、有意差は認められなかった。