喫煙防止教育パンフレットの解説

西ドイツのMüllerが1939年にヘビースモーカーに肺がん患者が多いことを発表し、その後、喫煙(特に紙巻たばこ)と肺がんとの関係や喫煙と各種疾患との関係などについての多くの疫学的研究がおこなわれた。その結果、喫煙は肺がんのみならず他の多くのがんやまたがん以外の疾患の原因にもなっていることが明らかになった。

日本でもこれらの報告を受け、喫煙に関して1966年から1982年にわたる長期の疫学追跡調査が行われた。この調査は「計画調査」と呼ばれ、日本で行われた大規模な調査である(平山 雄)。宮城、愛知、大阪、兵庫、岡山、鹿児島の6府県において、40歳以上の男女を対象に喫煙に関する質問票を配布。質問票では性、生年月日、出生地、職業、子どもの数、既往歴、食習慣、たばこ、酒、日本茶などの他、喫煙に関してはたばこの種類、喫煙状況(吸う、時々吸う、禁煙した、吸わない)、紙巻たばこの一日の喫煙本数、喫煙開始年齢、禁煙年齢などが質問された。この調査では調査対象住民の移動調査が毎年行われ、死亡者については保健所の死亡小票から死因が同定された。死因や喫煙状況等から喫煙によって肺がんのリスクが高くなることが明らかにされた。ただ、欧米に比べ肺がんのリスクが低いとの指摘もあるが、第二次世界大戦末期から1950年にかけての紙巻たばこの消費量の落ち込みが要因と思われる。

下図には「喫煙とがんや他の疾患との関係」が示されている。肺がんについてみると、追跡調査において肺がんで亡くなった1454名の内71.5%が喫煙者であったということを示している。

また、喫煙者は肺がん以外にも喉頭、食道、膵臓などのがんにかかるリスクが非喫煙者に比べ高く、また、がんのみでなく、冠動脈性心臓病、慢性気管支炎、肺気腫などに罹りやすいことが疫学調査から明らかにされている。


前へMENUへ