喫煙防止教育パンフレットの解説

  1. たばこの煙の成分

    たばこの煙を顕微鏡で見ると、ガス状の物質の中に直径0.4ナノメートル前後の無数の微粒子が浮遊していることから、ガス状物質(ガス成分)と粒子状物質(粒子成分)に分けることができる。その中の化学物質は分かっているだけで4,000種類以上に及ぶと言われている。

    ガス成分には一酸化炭素、二酸化炭素、窒素酸化物、アンモニア、ニトロソアミン、シアン化水素、硫黄化合物、炭化水素、アルデヒド類、ケトン類などが主に含まれている。

    粒子成分は水、ニコチンおよびタールからなり、タール中には発がん性のある種々の多環状芳香族炭化水素のほか、フェノール、ベンゼン、ナフタリン、金属イオンなどが含まれている。

    これらのうち、特に身体に影響をあたえるものとして、一酸化炭素、ニコチン、タールが注目されている。

  2. 主流煙と副流煙

    たばこの煙は主流煙(肺の中に吸入される煙)と副流煙(火のついた先端から立ち上る煙)とに分けられる。発生する各種有害物質は主流煙より副流煙のほうが多く(下記参照)、また主流煙は酸性(PH6前後)であるが、副流煙はアルカリ性(PH9前後)のため目や鼻の粘膜を刺激する。

    副流煙と呼出煙(喫煙者が吐き出した煙)を合わせて環境たばこ煙(environmental tobacco smoke ETS)と呼び、これが周囲の非喫煙者にも影響を与えている。自分でたばこを吸わなくても喫煙者の近くにいるだけで、たばこの煙の影響を受けることになる。これを受動喫煙と呼んでいる。

    受動喫煙によって呼吸器系の機能障害や諸疾患にかかりやすくなり、特に受動喫煙による、ぜんそくの発生や悪化は数多く報告されている。また虚血性心疾患での影響もみられる。

  3. たばこの煙の特徴

    たばこにはたばこの葉以外に風味付けや保湿、また刺激を抑制したりするために数多くの添加物が入っている。紙巻たばこには保湿剤としてグリセリンのほかにプロピレングリコールやジエチレングリコールなどの多価アルコールが加えられている。また甘みを加えるために、甘草、ブドウ糖、果糖、ウイキョウや蜂蜜なども添加されている。銘柄によっては爽快感などを出すためにメントールを加えたり、風味付けにバニリン、メチルシナミドなども添加されている(米国たばこ産業から報告されたリストによれば約600種の成分が添加されている)。その他ポリフェノールやいろいろのテルペンを含む植物の抽出物も添加されている。また、たばこの製造工程でもいろいろの化合物が造られ、たばこの中に含まれることになる。例えば、葉たばこ中のニコチンやノルニコチン、アナバシンなどはたばこを発酵させる過程でニトロソ化を受けて「たばこ特異的ニトロソアミン」になる。「たばこ特異的ニトロソアミン」は葉たばこやたばこ煙にのみ存在するもので、発がん性があるといわれている。この様にたばこには数多くの物が含まれているが、更にたばこを加熱することで物理的・化学的反応が起こり、たばこ煙中の化合物は増加し約4,000種類以上になる。


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