文章番号:30162

指導の実際

3.授業の展開例

4.中学校における展開例

意志決定「合理的に行動選択をしよう」

1 題材設定の理由

私たちは日常生活の中で、問題解決を図らなければならない様々な場面に遭遇する。その時、状況を把握し、可能な行動の選択肢を考え、結果を予測し、自分自身で最善の行動を選択することが大切である。ここでは、薬物乱用を避けるために必要な、合理的な意志決定スキルを習得されるために、この題材を設定した。

2 指導のねらい
  1. 行動選択のための合理的な思考力方法を理解できるようにする。
  2. 健康的な生活を脅かす状況設定の中で、合理的に思考し、行動選択できるよにする。
3 展開
指導事項 学習活動・内容 指導・支援上の留意点
行動選択のための意志決定
  1. 今までの生活を振り返って、後悔している行動選択を思い出す。
  2. 行動選択のための意志決定ステップを理解する。
  3. 状況設定(図表8-2)で、Bの取りうる選択肢をグループで考える。
  • ここでは、今までの行動選択において、人任せや、何気なく行ってしまった失敗例から、主体的な行動選択の重要性を理解させる。
  • 意志決定のステップ(図表8-1)を説明する。
  • 意志決定のステップ1、2、3を踏まえて考えさせる。
ディベート
  1. 状況設定に対する代表的な行動選択についてグループの賛否を決定する。
  2. ワークシート(図表8-4)に立論を入れる。
  3. 立場の違う2班がディベートを行う。
  4. 残りの班が判定を行う。
  • 各グループで考えた行動選択を発表させ、代表的な考えに対する賛否についてグループで検討させる。
  • 賛否が分かれた行動選択をディベートのテーマとして設定する。ただし、善と悪に明らかに判断できるような設定は避ける。
  • ディベートのフォーマット(図表8-1)を理解させる。
  • 立論の際に行動選択の結果の長所、予想される反論、反論に対する答えを考えさせる。
  • 判定の基準は、行動選択を合理的な思考に基づいて行っていたかという立論過程を重視させる。
行動選択の練習
  1. 用意された状況(図表8-5)に対する意志決定ステップ1~5を考える。
  • ステップ2の行動可能な選択肢はできるだけ自由にあげるよう助言する。
  • ステップ4は、ディベートの立論の要領で考えさせる。
  • ステップ5の行動選択の結果については宿題とし、家族と話し合うよう指示する。
4 準備
  1. 図表8-1:「意志決定のステップ」
    ステップ1 意志決定にかかわる選択肢をあげる。
    ステップ2 意志決定にかかわる情報を収集する。
    ステップ3 各選択肢の良い点と悪い点をあげる。
    ステップ4 意志決定を下し、選択した理由をあげる。
    ステップ5 行動する。

    • 自分の決定に責任を持つ
    • それでも結果が悪かったら自分にとって「より適した選択」をさらに考えること。
  2. 図表8-2:ミニ・ディベート 状況設定

    問題 ☆Bのとりうる行動を考えてください。

  3. 図表8-3:ミニ・ディベート フォーマット
    1. [第1段階]肯定側(A主張側)立論…2分
      否定側(B主張側)立論…2分
    2. [第2段階]否定側(B主張側)質問…1分
      否定側(B主張側)応答…1分
      肯定側(A主張側)質問…1分
      肯定側(A主張側)応答…1分
    3. [第3段階]作戦タイム…2分
    4. [第4段階]論戦(反駁を主体とした討議)…6分
    5. [第4段階]否定側(B主張側)結論…2分
      肯定側(A主張側)…2分 所要時間20分
  4. 図表8-4ミニ・ディベート 記録シート
  5. 図表8-5まとめの課題
5 評価
  1. 行動選択のための合理的な思考法を理解できたか。
  2. 健康的な生活を脅かす状況設定の中で、合理的に思考し、行動選択できたか。
6 家族・地域との連携

「まとめの課題」の行動選択の結果を家族に知らせ、助言をもらう。

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