文章番号:30129

我が国の取組

薬物乱用防止教育関係通知

文体学第290号
平成10年6月5日

附属学校を置く各国立大学長
国立久里浜養護学校長
各都道府県知事
各都道府県教育委員会教育長 殿

文部事務次官
佐藤 禎一

児童生徒の覚せい剤等の薬物乱用防止について(依命通知)

児童生徒の覚せい剤等薬物乱用防止に関する取り組みについては,かねてから「児童生徒の覚せい剤等の薬物乱用防止に関する指導の徹底について」(平成9年10月31日付け文体学第290号)等に基づきその充実をお願いしているところであります。このたび,別添のとおり,内閣総理大臣を本部長とする薬物乱用対策推進本部において,「薬物乱用防止五か年戦略」等が策定されました。

このうち「五か年戦略」は,我が国の薬物乱用の現状とその問題点の分析を踏まえて,中長期的な対策の再構築を図るものとして策定されたものです。

具体的には,第三次覚せい剤乱用期の早期終息に向けての緊急対策を講ずることなどを基本目標とし,青少年の薬物乱用傾向を阻止するために「学校等における薬物乱用防止に関する指導の充実」等の対策を,関係機関・団体が連携して推進することとしています。

また,去る5月18日には総務庁長官より文部大臣あてに「麻薬・覚せい剤等に関する実態調査の結果」に基づき,生徒への薬物乱用防止教育の強化を図ること等について勧告がなされております。

これらを受け,文部省としては,関係省庁の協力を得て,全中学校及び高等学校において「薬物乱用防止教室」を毎年開催するよう努めるとともに,昨年度の高校生用ビデオに加え,本年度は,中学生用ビデオの作成や学校における薬物乱用防止教育支援体制の整備のための実践事業を開始することとしています。このほか,引き続き教員を対象とした研修会の開催,パンフレットを用いた普及・啓発及びPTAなどの関係団体が積極的な役割を果たすよう協力の要請等の施策を実施することとしています。

さらに,小学校においても薬物乱用防止に関する指導を行うよう昨年通知したところですが,その一層の充実を図るため,教育課程上指導すべき事項として明確に位置付けることについて,現在教育課程審議会の場で検討されているところです。既に中間まとめにおいても,学校における薬物乱用防止に関する指導のより一層の徹底が必要との方向が示されております。

ついては,貴職におかれては,このたびの「薬物乱用防止五か年戦略」を踏まえつつ下記事項に留意の上,貴管下の市町村教育委員会,学校等の関係機関に周知を図り,青少年の覚せい剤等の薬物乱用防止に関するより一層の指導の徹底を図られるようお願いいたします。

以上,命により通知します。

  1. 現在,高等学校を中心に開催が進められている薬物乱用防止教室については,教師のみならず警察職員や麻薬取締官OB等の専門家が一体となって指導することによる効果が認められることから,関係機関等との密接な連携を図って積極的に開催を進めること。また,今後すべての高等学校及び中学校において年に1回は薬物乱用防止教室を開催するよう努めるとともに,地域の実情に応じて小学校においても薬物乱用防止教室の開催を推進すること。
  2. 学校のみならず家庭,地域社会が一体となって薬物について学ぶことができるよう,各教育委員会において学校への支援体制の強化・充実を図るとともに,社会教育施設等において地域住民を対象とした薬物乱用防止に関する講座の開設や相談窓口の設置を行うなど,その機会の提供や場の整備等に努めること。
  3. PTAや青少年関係団体等と十分に連携・協力するなど,地域社会が一体となってこの問題に取り組むこと。

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