文章番号:30202

Q&A

5. よくある生徒からの質問

  1. 普通の生活をしている私たちには関係ないし、また薬物を乱用するのは個人の自由だと思いますが。

    覚せい剤や大麻等の薬物は使用だけでなく、売買や所持することも厳しく法律で禁止されています。それは薬物が心身の健康を害するだけでなく、薬物を手に入れるためや薬物乱用による幻覚・妄想などが殺人、放火、交通事故などの重大な犯罪に結びつくことが多いからです。また、薬物の流通経路には暴力団などが関係し、社会全体の安全を保つためにも厳しい取締が行われています。

    国際的にも所持するだけで死刑になる国があるほどで、薬物乱用は個人の自由だと認められるものではありません。

    乱用者だけでなく、その家族も共に重い苦悩を背負うことになる薬物乱用を個人の自由だと思うことは大きな誤りです。

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  2. 大麻(マリファナ)などは大した害がないと言う人もいるようですが。

    大麻(マリファナ)はソフトドラッグで危険は少ないとの情報は誤りです。幻覚をおこし精神依存性がある危険な薬物です。また、大麻を乱用する者は、より依存性の強い薬物も乱用するようになります。アメリカでは、大麻が青少年の薬物乱用のゲートウェイ(入り口)になっています。

    大麻は幻覚誘発剤の一種で、大麻取扱者以外の者が所持、栽培、譲受、譲渡や使用することを大麻取締法で禁止されています。

    また、医師は大麻中毒者と診断した場合は、麻薬中毒者と同様に都道府県知事に届け出る義務があります。

    大麻に含まれるTHC(テトラハイドロカンナビノール)は幻覚作用を発現します。精神作用(急性症状)は、状況によって変動が大きいのが大麻の特徴です。

    大脳辺縁系に作用し、陶酔感、幸福感、多弁、万能感、気分易変、攻撃性などの気分情動の変化を示します。また錯視、幻視、聴覚敏感、幻聴、味覚の変化などの感覚知覚の変化と支離滅裂などの思考の障害をおこします。

    慢性中毒状態になると意欲低下、忍耐力低下のため学校や仕事が続かなくなるといわれています。

    身体的には、発ガン性や生殖機能低下があることが、最近指摘されています。

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  3. 合法ドラッグと言われるものがあると聞きましたが。

    合法ドラッグという言葉は、一部のマスメディアで使用されており、合法的に認められたドラッグという印象を与えますが、本来そのようなものはないことから教育のみならず一般的にも使用することは好ましくありません。

    これらの薬物は、使用、所持、販売などに関して、未だ法規制がなされていない点をついて販売、使用されている薬物のことをいいます。法規制が間に合わないなど、法律の網をかいくぐった薬物であることから、脱法ドラッグとよばれています。

    薬理作用的には、全く効果のないものから、麻薬・覚せい剤と同等のもの、毒物と考えられるものまで玉石混淆です。そもそも、どのような薬物が含まれているのか自体が不明のものも多いようです。

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  4. 薬物乱用は一度だけなら大丈夫なのではありませんか。

    薬物乱用はたった一度でも危険です。

    1回だけ試してすぐ止めるつもりで薬物を乱用しても、薬物の依存性のために繰り返して使用するようになり、深刻な薬物依存症に陥る危険性があります。薬物依存症の患者の大部分が最初は一度くらいなら大丈夫と思って、薬物に手を出した結果なのです。薬物依存が進むと、乱用時の良い気分を感じにくくなり、被害妄想、イライラ、気分の落ち込みなど、悪い症状ばかりが出るようになります。しかし、依存症のために薬物を止められず、乱用し続けてしまいます。

    身体依存が形成されると、薬物を止めた直後に禁断症状が出て苦しくなるため、薬物を断つことができなくなります。

    また薬物によっては、1回の乱用でショック死したり、恐ろしい幻覚や妄想などの精神病の症状がでることもあります。

    薬物の依存性は想像以上に強烈で、一旦依存症になると人間の意志ではどうしようもなくなります。したがって、一度だけならとの薬物の誘惑に負けないよう、強い意志をもつことが賢明です。

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  5. ダイエットや勉強によいと聞きましたが本当ですか。

    覚せい剤などの薬物がダイエットや勉強に良いというのは間違いです。

    覚せい剤を乱用すると数日間食欲が無くなる時期がありますが、その後過食期になり、食欲が異常に進んで日ごろの何倍も食べてしまいます。

    そのために過食と嘔吐を繰り返す過食症になり苦しみます。覚せい剤がきれると過食になるため、覚せい剤が止められなくなり、依存症に陥り悲惨な状況になります。

    最近では、こうした悪循環の末に、自傷行為や自殺するなどの問題が発生しています。

    次に、覚せい剤などの興奮作用をもつ薬物を乱用すると、夜も寝ないで仕事ができると考えられていた時期がありました。

    しかし、薬物による不眠は、神経の緊張を過度に高めているので、イライラし、被害妄想もでやすくなります。したがって、自分では能率が上がっているつもりでも、客観的に見ると、誤りやミスが多く仕事や勉強の能率が低下していることが多いのです。

    また、覚せい剤がきれるとぐったりと疲れ、寝てばかりいる嗜眠期が数日間続きます。その時の沈んだ気分が不快で覚せい剤の乱用を繰り返すことになります。

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  6. 一度依存症になると、もう治らないのですか。

    一度依存症になると、全く立ち直れないというわけではありませんが、薬物を止め続けるために大変な努力が必要です。

    薬物依存症とは、脳に記憶と同様の変化が生じて一生消えない状態となります。その意味では、依存症の体質は元へは戻りません。

    薬物を止めていても、精神依存のために、再び薬物を乱用したいという渇望が繰り返しおきます。その渇望に耐えるためには、本人の努力と家族などの理解や協力が必要になります。

    さらに、医師などの専門家の援助が必要になる場合もあります。10年以上薬物を止めていても、再び薬物を乱用すると、すぐに以前の乱用時の状態に戻り、乱用を続けたり被害妄想などの精神病症状が激しくでます。

    依存症の体質は、完全に消し去ることはできませんが、医療機関や自助施設の支援の受けて、薬物依存症から立ち直った人々が徐々に増えていることも事実です。

    しかし、薬物依存症者は薬物を目にしたり、乱用仲間に会ったり、売人と接触すると再び薬物を乱用したいとの抗しがたい渇望がでるので、乱用仲間や地域から離れるなどの環境調整が必要になります。つまり、薬物依存症の人が立ち直れるかどうかは地域社会の状況も関係しています。

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  7. 薬物乱用は生まれてくる子どもにも影響しますか。

    女性が妊娠中に薬物を乱用すると、胎児に影響し死産、早産、奇形などの問題がおこる危険性があります。

    特に妊娠初期の3ヶ月間の薬物乱用は、胎児の臓器や身体の形成期にあたるため、心臓や身体の奇形、知的障害などを起こす危険性が高いと言えます。

    薬物は胎盤を通して胎児の脳にも影響しますので、薬物中毒状態で生まれる場合もありますし、生まれた子どもが将来に薬物依存症になりやすい体質になっている可能性も否定できません。

    コカイン乱用者の母親から生まれた子どもに精神的な障害などが認められることがあり、また妊娠初期の飲酒により独特の奇形や知的障害をもつ胎児性アルコール症候群を引き起こすことは医学の専門家の間でよく知られていることです。

    また、従来は男性の薬物乱用は生まれてくる子どもへの影響はないと考えられていましたが、最近の研究では薬物乱用が精子にも悪影響を与え、生まれてくる子どもに問題が起こる可能性を否定できないといわれています。

    さらに、薬物乱用者は卵子、精子、胎盤を介して胎児に直接的に影響を与えることに加え、家庭環境の問題などから、次世代にも大きな影響を及ぼします。

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  8. 薬物乱用について相談したい場合はどうしたらいいのですか。

    薬物を乱用している友人を見たり、薬物乱用を勧められたりした場合は、先ず家族や学校に相談し、場合によっては警察に相談しましょう。

    また、自分自身や友人、家族が薬物乱用からの立ち直りで困っている場合は、保健所、精神保健福祉センター、依存症の専門病院、精神科の病院及び診療所、警察、麻薬取締官事務所などに相談しましょう。

    地域の保健所は最も身近な相談機関です。保健所で十分な対応ができない場合は、保健所から他の機関に紹介してさらに相談に応じてくれます。

    精神保健福祉センターは、平成11年から、薬物乱用相談について積極的に応じるよう要請されていますが、地域により相談体制の整備状況に差があります。

    乱用を繰り返している薬物依存症や幻覚、妄想、イライラ、不眠などの精神症状がある場合は、依存症の専門病院、精神科の病院及び診療所に相談して治療を受ける必要があります。

    また地域によっては民間の専門相談施設や自助グループが相談にのってくれます。

    警察では少年や薬物対策の担当課が相談に応じてくれます。薬物乱用から立ち直るためには、司法的な取締という厳しい対応も必要です。

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  9. 恐ろしい害があるのに、薬物を乱用する人がいるのはなぜですか。

    青少年の場合「好奇心」、「冒険心」、「気のゆるみ」や「やけ(なげやりな気持ち)」が薬物乱用のきっかけになることが多いのが現状です。また、「他人に迷惑をかけないので、使うかどうかは個人の自由である」といった誤った考え方をもつことも関係することがあります。さらに、「ダイエットや眠気覚まし(勉強)に効果がある」、「一度だけなら大丈夫」といった安易な(間違った)気持ちや、単なる「遊び感覚」で薬物に手を染めるケースもあります。いずれも、仲間の影響を強く受け、親や学校、職場への反抗、社会や人生の様々なストレスや孤独感からの逃避などが加わって、さらに薬物とのかかわりが深くなり、薬物の持つ依存性の悪循環により、気づいたときには抜け出すことが難しい状態に陥ってしまいます。

    また、近年の未成年者、特に中高生の乱用者が増加している背景として、『薬物の入手しやすさ』、『薬物を意識させない巧妙さ』、『お酒との結びつき』を挙げることができます。例えば、覚せい剤を「スピード」などの隠語で呼ぶことによるイメージの変化、携帯電話、コインロッカーあるいは伝言ダイヤルを利用した巧妙で簡便な取引方法の普及、街頭でキャッチセールス的に密売している不良外国人の関与、酒場での誘惑、海外旅行の一般化、インターネットなどによるさまざまな情報の入手の容易さなど、数々の要因があります。

    しかし、いずれの場合にも、薬物乱用の害の恐ろしさに対する知識の不足と、ストレスや甘えによる「なげやりな気持ち」が大きな原因となっていることを忘れてはなりません。

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  10. 薬物乱用を誘われたら、どうしたらいいのですか。

    きっぱり『いやだ』と言いましょう。

    「友達に嫌われるから」と思っても、自分のためにならないと思う誘いには、はっきり『No!』と言うべきです。「どう思われるだろう」なんて気にすることはありません。自分の身体、自分の一生を大切にしましょう。少しでも危ないと思ったら、きっぱり断る勇気を持ちましょう。たとえおもしろ半分でも危険な薬物に近づいてはいけません。「一度きりだから」が命取りになってしまうのです。一度でも経験するとやめたいと思ってもやめることが難しい、また、たった一度でも、薬物によっては急激に身体に異常をもたらす物もあり、最悪の場合には死んでしまうことさえあります。

    ただし、状況判断もとても重要です。身の安全を守るため直ちにその場を立ち去る(逃げる)必要がある場合もあります。

    もし、薬物をすすめられたり、薬物を乱用している人を見かけたら、一人で悩まず、保護者や先生に相談したり、警察や保健所などに相談・報告しましょう。その情報が友人や知人を救うきっかけにもなるのです。

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  11. 薬物を持っているだけでも罪になりますか。

    もちろん、罪になります。

    乱用される薬物は「覚せい剤取締法」、「麻薬及び向精神薬取締法」、「あへん法」、「大麻取締法」、「毒物及び劇物取締法」によってその輸出入、製造、譲受、譲渡、所持、使用などが規制されています。それに違反した者は、それぞれの法律に従って処罰を受けます。これらの法律では、非営利目的での薬物の譲受、譲渡、所持、使用については、成年の場合下の表に示すように、いずれもほぼ同等の処分規定が定められてます。したがって、薬物を持っているだけでも、使用したのと同様に厳しく処分されることになります。

    薬物乱用は法律で厳しく取り締まられています
    表 薬物関連取締法のおもな罰則(非営利目的の場合)
    法律 薬物 譲受、譲渡、所持、使用
    覚せい剤取締法 覚せい剤 10年以下の懲役
    覚せい剤原料 7年以下の懲役
    麻薬及び向精神薬取締法 ヘロイン 10年以下の懲役
    ヘロイン以外の麻薬(モルヒネ、コカイン、LSDなど) 7年以下の懲役
    向精神薬 3年以下の懲役

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