文章番号:30200

Q&A

4. 薬物乱用の規制・対策について

  1. 薬物を乱用すると法的にどのような処分があるのでしょうか。

    乱用される薬物は「覚せい剤取締法」、「麻薬及び向精神薬取締法」、「大麻取締法」、「あへん法」、「毒物及び劇物取締法」によってその輸出入、製造、譲受、譲渡、所持、使用などが規制されています。それに違反した者は、それぞれの法律に従って処罰を受けます。成年の場合、逮捕された者はまず警察で取り調べを受けた後、検察庁に送致されます。その後10日から20日の拘留期間のうちに検察官の取り調べを受け、起訴か不起訴が確定されます。国によっては、薬物を所持していただけで死刑となるところもありますが、日本での最高刑は営利を目的とした覚せい剤やヘロインの密輸入あるいは製造で無期懲役です。

    なお、薬物の譲受、譲渡、所持、使用については、薬物の種類ごとにいずれもほぼ同等の処分規定が定められてます。例えば、非営利目的の覚せい剤あるいはヘロインの譲受、譲渡、所持、使用では、10年以下の懲役、LSD、モルヒネあるいはコカインの場合には5年以下の懲役と規定されています。

    関連法令→

    また、未成年者の場合には、少年法や児童福祉法に基づく手続きとなり、大まかには以下の図に示す処置及び処分の流れとなり、いずれも厳しく取り締まられているとともに、薬物乱用から立ち直り、社会復帰するためのサポート体制がとられています。

    図 薬物乱用未成年に関連する少年法及び児童福祉法に基づく手続き
    井上堯子,薬物乱用撲滅に向けて,現代化学,1999,No.12,東京化学同人,P40,図1を参考とした。

    前へMENUへ

  2. 国際的にはどのような薬物乱用防止活動がおこなわれているのですか。

    薬物の乱用は、一国のみの努力では到底解決できない大きな問題であることから、その防止は世界の共通課題であり、国際協力が不可欠です。我が国も、国際協力の推進に積極的に取り組んでいます。

    この認識のもとに、1990年に開催された『国連麻薬特別総会』においては、麻薬乱用撲滅に向けて『政治宣言』と『世界行動計画』を全会一致で採択しました。同宣言では1991年から2000年を『国連麻薬撲滅の10年』と定め、各国がこの10年間に麻薬乱用撲滅のために、一丸となって薬物乱用防止活動を推進するように呼びかけています。

    国際連合の対応

    薬物乱用問題の解決のために、国連では『国連薬物統制計画(United Nations Drug Control Programme : UNDCP)』という機関が設置されています。

    UNDCPでは、薬物対策のための国連専門機関として、薬物問題全般に幅広い活動を行っています。例えば、麻薬の生産を防止するための総合的な農村対策、代替作物開発、薬物乱用防止、中毒者治療、各国の立法や制度改革への助言のほか各種国際会議の開催など、国際レベルでの薬物対策に指導力を発揮しています。

    現在の活動は、グローバルな薬物乱用の傾向調査や技術支援のプログラムを50以上の国家で実施しており、国連の薬物乱用防止対策の実施機関として中心的な役割を担っています。

    国際麻薬統制委員会(International Narcotics Control Board :INCB)の対応

    INCBは、1961年の麻薬に関する単一条約の第9条に基づいて薬物の栽培、生産、製造及び使用を医療上及び学術上必要な量だけに制限し、そのような用途での入手方法は確保しつつ、薬物の不正な栽培、生産、製造、取引及び使用を防止しようと努力しています。

    INCBはその事務局が設置されているUNDCP及び薬物統制に関する他の国際機関、とくにWHOとの協力体制を整えています。

    また、国連以外の団体、特に国際刑事警察機構(ICPO)及び世界関税機構(WCO)とも強い連携を保っています。

    世界保健機関(World Health Organization : WHO)の対応

    WHOは主に保健健康の面から薬物問題を支援しており、依存性薬物の評価あるいは予防・治療・薬物の規制といった業務を医療・学術的な側面から支援しています。

    WHOは、乱用される薬物について、違法物質・合法物質という概念ではとらえていません。たばこ・アルコール等ごく一般的な物から向精神薬、麻薬にいたるまで乱用される可能性のある物質を「健康に有害な物質」ととらえ、それら物質の需要を削減することに重点を置いています。

    1990年9月からは、薬物乱用に対する保健衛生面からの予防及びケアを一層効果的にするため、WHOに薬物乱用対策計画(Programme on Substance Abuse : PSA)が発足しました。

    PSAの主な活動内容は、調査研究及び開発、薬物乱用のない生活の促進、合法的な麻薬及び向精神薬に対する保健衛生面からの規制、治療及びリハビリ、並びに各国で行われている関係プログラムに対する援助等があげられます。

    前へMENUへ

  3. 我が国の薬物乱用防止活動について教えてください。

    薬物乱用対策推進本部より、平成15年から平成19年までの五か年間に対して、薬物乱用防止新五か年戦略を策定し、この中で四つの目標を立てて政府全体で取り組むこととしています。

    詳しくは我が国の取組を参照ください。

    我が国の取組へ→

    また、従来から(財)麻薬・覚せい剤乱用防止センター(http://www.dapc.or.jp/)が1:国際連携の強化 2:教育・啓発の充実 3:広報活動の推進 4:調査研究活動の実施を柱に国内外に対する薬物乱用防止の活動、支援、援助を行っています。

前へMENUへ

日本学校保健会トップページへ