文章番号:30193

Q&A

1. 薬物乱用の基礎知識について

  1. 薬物乱用とは、どういうことですか。

    薬物を社会的規範から逸脱した目的や方法で使うことを薬物乱用といい、一回使用しても乱用です。

    覚せい剤、大麻(マリファナ)、コカイン、LSD、マジックマッシュルーム、MDMAは使用、所持、売買を法律により規制しています。

    また、シンナーなどの有機溶剤や各種ガスは、それぞれの用途のために販売されているもので、これらを吸引することは目的の逸脱になり、薬物乱用となります。

    さらに、睡眠薬、鎮痛剤などの医薬品を服用する場合に、1回に飲む量が指示されているにもかかわらず多量に服用するなど自己判断で飲むこと、また医薬品を「遊び」目的で使うことなども、目的や方法の逸脱であり、これらも薬物乱用となります。

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  2. 薬物を乱用すると、どうなるのですか。

    乱用される薬物の共通する特徴は、脳に作用し、依存を引き起こすという性質です。こうした薬物の乱用は、健康に重大な影響を及ぼし、さらに社会にも大きな影響を与えます。

    心身への影響

    乱用
    正常な脳を変えてしまいます

    薬物は、心身へのダメージだけでなく、生き方そのものにも影響を与えます。

    急性中毒

    薬物によっては、急激に身体に影響を及ぼすものがあり、急性中毒で死んでしまうこともあります。

    依存
    身体的、精神的に依存を引き起こします

    心も体も薬物に頼ってしまい、薬物をやめられない状態をいいます。

    中毒
    慢性中毒、薬物精神病になります

    幻覚や妄想にとらわれ、人格に異常をきたします。このため、疑い深くなったり、恐怖感にとらわれ、犯罪を起こすことなどもあります。肝臓や腎臓など全身の臓器が影響を受けます。

    フラッシュバック

    いったん病的な状態になると、脳には薬物の記憶が残っていて、単に、ストレスを感じたり、飲酒したりした場合にも薬物を乱用したと同じような、幻覚や妄想が突然現れる場合があります。これをフラッシュバック(自然再燃)といい、恐れられています。

    また、ごく少量の薬物を乱用した場合でもいきなり幻覚や妄想が現れる場合があります。

    これらの経過を表したものが下記の図です。

    社会への影響

    1. 犯罪
      1. 薬物を入手するための恐喝事件や窃盗事件
      2. 密売や乱用者の勧誘
      3. 薬物乱用に基づく凶悪な犯罪
    2. 家庭問題
      1. 家庭内暴力、家庭の崩壊など
      2. 生活の乱れ
    3. 学校での問題
      1. 欠席、学習不適応
      2. 学業不振、校内暴力
      3. 他の生徒への薬物乱用の拡がり
    4. 職業及び経済問題
      1. 怠業、失業などの職業生活の破綻
      2. 金銭問題の頻発と経済生活の破綻
    5. 友人問題
      1. けんかを起こしやすく、友人・知人から離れ孤立する
      2. 薬物乱用仲間の形成
    6. その他
      1. 暴力団の資金源となり、健全な社会を阻害する

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  3. 乱用されている薬物には、どのようなものがありますか?
    また、それらはどんな害を与えますか。

    乱用される薬物には、覚せい剤、大麻(マリファナ)、シンナー等有機溶剤、コカイン、LSD、あへん、ヘロインなどがあります。

    これらの薬物はいずれも、依存を引き起こす作用があります。一度だけなら大丈夫と思っていても自分の意志だけではやめられなくなり、どうしようもない依存の悪循環に陥ってしまいます。

    また、一度幻覚・妄想状態を経験した人は、たとえ薬物を止めて正常に回復しても、疲れや不眠などが引き金となって再び幻覚・妄想状態がぶり返すことがあります(フラッシュバック)。

    薬物乱用による症状は、すべて医療機関で治療する必要があります。

    • 覚せい剤

      中枢神経が興奮し、気分が高揚して、疲労がとれたように感じますが、薬が切れるとその反動で、強い疲労感や倦怠感、脱力感が襲ってきます。繰り返し使用していると、中枢神経に異常をきたし、幻覚や妄想を伴う薬物精神病になります。大量に摂取すると死んでしまう場合があります。

    • シンナー等有機溶剤

      急激に酩酊状態となり、大量に摂取すると、呼吸困難に陥り死に至ります。情緒不安定、無気力となり、幻覚や妄想が現れて、薬物精神病になります。

    • コカイン

      興奮作用があり、効果が迅速で強烈です。毒性も強く、大量摂取すると痙攣発作が繰り返し起こり、死んでしまうこともあります。幻覚や妄想が現れて、薬物精神病になります。

    • 大麻(マリファナ)

      感覚が異常になり、幻覚や妄想が現れます。薬物精神病になります。

    • LSD

      幻覚が現れます。色彩感覚が麻痺し、空間が歪んだような感覚に襲われます。薬物精神病になります。

    • あへん・ヘロイン

      落ちついたような気分を味わいますが、薬が切れると嘔吐や痙攣などの激しい禁断症状に襲われます。多量に摂取すると、呼吸困難に陥り、死んでしまうこともあります。

    • MDMA

      覚せい剤と似た中枢神経刺激作用とLSDのような幻覚作用があります。毒性が強く、死んでしまうことがあります。

    • マジックマッシュルーム

      サイロシン、サイロシビンなどの幻覚を引き起こす麻薬が成分として含まれており、麻薬原料植物として規制されています。

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  4. 薬物乱用が原因となった事件や事故には、どのようなものがありますか。

    乱用される薬物の使用、所持、売買は法律で厳しく規制されています。そのため、乱用者の多くは一部の不良外国人、暴力団などが関与する密売ルートから薬物を手に入れることになり、薬物を購入するためのお金を得るため、自宅から金品を持ち出したり、暴力をふるうなどして家庭生活の崩壊を招くとともに、万引き、恐喝、窃盗、売春などの犯罪を引き起こします。

    また、薬物による精神影響が殺傷事件、放火事件の原因にもなっており、薬物の乱用は、個人の健康影響ばかりでなく家庭や社会にも大きな影響を及ぼします。

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