文章番号:30088

どうして依存になるの?

文章番号:30087

薬物と脳の関係

薬物依存は、脳の中にある『報酬系(ほうしゅうけい)』と呼ばれる神経経路の働きと密接な関係があります。動物が危険や苦労を伴いながらも自分の欲求を満たした際に、脳の報酬系が刺激され『快の体験』が起こります。例えば、すごく苦労して宿題をして、終わったあとに達成感があるのは、脳の報酬系が刺激されるからです。薬物は、苦労した場合と同じように報酬系を刺激して、『快の体験』を引き起こす効果を持っています。本来なら、努力して得られた報酬であるのに、そうしなくても簡単に報酬を得られるので、また楽をして報酬を得ようとするのです。しかし、この効果は、ほんの一瞬で消えてしまい、その後つらくなります。それでもまた同じ体験を得たいという欲求にかられ、薬物を手に入れようとするのです。そして依存症となっていきます。また、薬物を乱用し続けると、同じ量を使用してもだんだん効かなくなってしまいます。これを耐性と言います。乱用する1回の量や回数が増え、複数の薬物を乱用するようになると、最後はに悪影響が出て薬物精神病になってしまいます。


薬物依存を証明する動物実験

脳への刺激実験

薬物依存と脳の関係を証明した動物実験があります。1950年代にアメリカで行われたラット(動物実験用のネズミ)を使った実験です。ラットの脳のある特定の部位に電極を植え込みます。そして、二つのレバーを用意し、一つのレバーを押すと、えさをもらえるようにし、もう一方のレバーを押すと脳に刺激を与えられるようにします。この状態でラットを飼育しました。するとこのラットは、えさをもらえる方のレバーは押さずに、寝食を忘れ、餓死寸前まで脳刺激を受けるレバーをむさぼるように押し続けたのです。時には1分間に100回以上にも及ぶこともあったのです。依存性のある薬物は、脳を同じように刺激します。また、ラットよりも人間に近いアカゲザルでも同様な現象が見られたという報告もあります。