文章番号:10114

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非行少年の特性に関する調査結果について

  1. 調査期間等
    1. (1)調査期間
      平成11年9月1日から同年11月30日までの間。
    2. (2)調査対象少年
      非行少年は、都内の各警察署で取り扱った犯罪少年等のうち、中学生以上の少年946名で、一般少年は、都内の中学・高校の955名で、合計1901名の少年に対し任意で調査を実施した。
    表1 学職別対象者数
      合計 中学生 高校生 有職 無職 各学等
    非行少年 (236)
    946
    (58)
    274
    (119)
    386
    (14)
    85
    (28)
    97
    (17)
    104
    一般少年 (382)
    955
    (137)
    356
    (245)
    599
     

    注)( )内は女子の内数。一般少年の有職、無職、各学等は実施せず。

  2. 調査結果概要
    1. (1)非行少年の特性について(全学職を含む)
      1. ア 少年の行動・心理特性
        非行少年の行動特性では、自分の欲求を優先して非行に走り(61.9%)、自己中心的で耐性が備わっていない(49%)少年が、全体のほぼ半数を占めており、これらは最近の非行少年の特性と考えられる。また、キレやすく暴力をふるう少年(25.8%)が全体の4分の1を占めていた。
      2. イ 規範意識
        少年の規範意識について、「絶対にいけない」と答えた項目の割合を見ると、(1)「薬物使用(71%)」(2)「放置自転車の無断使用(58.2%)」は過半数を超えていたが、(3)「援助交際での現金授与(49.2%)」(4)「凶器の携帯(48.5%)」(5)「同級生への暴力(33.7%)」は過半数を割っており、これら問題に対する規範意識が低いことが窺える。
      3. ウ 非行等の経験
        非行等の経験のうち、不良行為では(1)「喫煙(64.8%)」(2)「飲酒(56.1%)」(3)「無断外泊(50.8%)」(4)「セックスをする(30.3%)」の順で、非行経験では(1)「乗り物盗(47.4%)」(2)「万引き(40.2%)」(3)「無免許運転(25.7%)」(4)「喧嘩、リンチ(23.6%)」(5)「恐喝(11.5%)」の順に多かった。
        全体としては、喫煙、飲酒、無断外泊など不良行為経験を有する少年が過半数を超えており、また、万引き等の初発型非行は65.3%を占め、覚せい剤などの薬物使用は4.7%であった。
      4. エ 被害体験
        いじめや犯罪等の何らかの被害体験を有する少年は、81.3%を占めている。これら被害体験の形態としては、(1)「悪口を言われる(56.1%)」(2)「持ち物を盗られる(39.0%)」(3)「シカトされる(35.3%)」(4)「無言電話(29.3%)」(5)「恐喝(15.9%)」(6)「パー券(13.4%)」(7)「痴漢や変質者にあう(13.0%)」(8)「使い走り(11.4%)」(9)「先生からの体罰(11.3%)」など様々な被害体験が見られ、とりわけ「恐喝、パー券、リンチ」などの犯罪被害を有する少年は29.7%を占め、これら被害体験と本件非行との関連性が窺われる。
    2. (2)非行少年と一般少年との比較(中高校生のみ)
      非行少年のうち中高校生660名(以下「非行群」と略)と一般少年955名(以下「一般群」と略)を比較し、以下特徴的な傾向を述べる。
      1. ア 少年の行動・心理特性
        少年の行動特性として、非行群では行動や考えが自己中心的で暴力的な面がより高く、行動抑止力に欠ける傾向が見られた。一般群では、耐性を備え、周囲から認められているものを持つ少年が目立っていた。
      2. イ 規範意識
        少年の規範意識の回答で、「本人の自由」と答えた割合は、テレクラやツーショットダイヤルの利用が一般群49.7%、非行群40.6%、援助交際での現金授与は一般群35.7%、非行群29.1%、薬物使用は一般群20.9%、非行群16.1%でいずれも一般群が非行群を上回っており、規範意識の低下は一般少年により顕著である傾向が見られた。
      3. ウ 非行等の経験
        非行等の経験のうち非行群に特徴的なものは、無断外泊、喫煙、家出、万引き、乗り物盗、無免許運転、恐喝、けんかやリンチであり、一般群と非行群に共通する経験は、飲酒、金品持ち出し、パチンコや競馬であった。
      4. エ 被害体験
        被害体験のうち非行群に特徴的なものは、恐喝、リンチ、使い走り、無言電話、パーティ券などの被害で、一般群に特徴的なものは、痴漢や変質者からの被害であった。全体的には、非行群に被害体験を有する少年が目立っている。

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